訪問看護の大変さとして、1人で訪問することもあると思います。

マンツーマンだね

複数の看護師等で訪問できる場合

訪問看護は、全てが1人で訪問しないといけない訳ではありません。複数で訪問看護を行うことが保険として認められていることもあります。

例えば、介護保険では、複数名訪問看護加算と言って

①利用者の身体的理由等で1人の看護師等による訪問看護が困難と認められる場合
②暴力行為等が認められる場合
③これらに準ずる場合の方

について、同時に複数名で訪問看護を行うことを利用者又は家族等の同意を得られれば、複数名の看護師等にて訪問に行き、保険算定が行えます。(ただ、②の暴力行為等が認められる場合ですが、認知症がなく意図的な場合は、そもそも契約の継続は難しいと思います。)

医療保険の場合は、介護保険の状態の方に加えて

④別表第7(厚生労働大臣が定める疾病等)の方
⑤別表第8(特別管理加算対象)の方
⑥特別訪問看護指示書の指示期間中

の方も複数名で訪問看護を行うことが認められています(利用者、家族の同意は必要です)。

 

保険外で複数の看護師等で訪問する合

介護保険、医療保険での複数名の訪問は、加算がつき、利用料金としていただけるので、ステーションとしても、収入につながります。
しかし、保険以外で、利用料金が発生せず、ステーションとして収入にはならないので、頻繁には行えませんが、複数名で訪問看護を行う場合があります。想定されることとして

①初めての方の訪問
②訪問看護スタッフ間の引き継ぎ
③訪問看護スタッフの研修期間中
④その他

などがあげられます。法律上決まっていることではないので、訪問看護ステーションの考え方によって、保険外で複数名で行う場合の基準は異なると思います。
訪問看護ステーションはなももでは、①②は、利用者様の状態によって複数名で行う場合と行わない場合があります。利用者の状態が比較的安定していて、サービス内容が複雑でなければ、書面や口頭で引き継ぎを行いますし、状態像が複雑で、直接の観察・判断・説明が必要な場合は複数で行います。
③については、研修を受ける看護スタッフの臨床経験や得意な科目など、スキルによりけりですが、1ヶ月から3ヶ月くらいは複数で訪問していきます。
④のその他は、1人で訪問して、ちょっと判断がつかないとか、他者の視点で見てほしい時などです。

 

訪問看護はなももでの1人での訪問について

以上の保険や保険外で複数名で訪問看護を行う以外は、基本的には、1人で訪問に行きます。

1人で行くことのプレッシャーは大変かもしれません。訪問中は何かあれば1人で対応してこなくてはいけないのです。でも私たち訪問看護はなももは、1名の利用者に対して3名程の看護スタッフでチームを組むので「困ったときはお互い様」で、Telし合って、アドバイスをしたり指示を出したりします。

創の状態が分からなければ写真を撮ってきて「こんな状態」とステーションに戻ってから、実際に創の状態を確認していき、情報を共有していきます。ステーションに戻ってから状況を報告したり、不足するようなところはアドバイスしていきます。

1人に負担をかけるのではなく、皆で苦手なところをフォローしていくよう心がけています。1人で対応できないときは時間の都合がつくスタッフに応援に行ってもらうこともあります。

文:樋口、塚田 絵:塚田